2019年6月4日(火) 〜 9日(日)
12:00〜18:00(最終日〜17:00)
〈作家紹介〉
京友禅の伝統工芸士でもある志賀氏は長らくその道で究め、京友禅金彩工程の中でも金線描(金括り)において、特に高度な技術を有している。
作業に当たり、特注の長い先金を磨りガラスで軽く削り,穴が開いているかどうか確認できない程の繊細な加工を施した上で、柔らかく調整した金属粉入りの金糊を用いて自在に金線描する。
極細の金線で描かれる様は人業とは思えないほどの緻密さがあり、氏が載金の人間国宝故江里佐代子氏の作品から着想して考案した幾何学模様は、この技術を最大限に生かしている。
また、金彩蒔絵柄の着物制作も得意としており、盛り上げ技法で繊細な糸目状に生地目を残して模様を表現する地割技法を見事に施す。さらに薄く均一な糊使いで生地目を残した真綿箔(もみ箔)技法を有するなど、志賀氏の極められた技術は業界からも高い評価を得ている。
最近では、着物や帯などの加工にとどまらず京都国際会館特別室の建具装飾の一部や、市内ホテルの客室装飾なども手掛けており、新しい分野においても活動域を広げている。
〈経歴〉
〈作家紹介〉
京都精華大学美術研究科大学院を修了後、グラフィックデザイン制作、大阪芸術大学副手などの職務に携わるかたわら、現代美術作家として制作活動を続けるが、2000年出産・育児のため活動休止。
職復帰以降、京友禅金彩加工、和をコンセプトとしたジュエリーメーカーの製作業務に携わるなど、 様々な「ものづくり」現場において経験を積んだのち、銀線七宝作家 岡田和幽氏の師事の下、伝統工芸でもある七宝焼を本格的に始め、七宝焼「wayuplus+」を立ち上げる。後継者として伝統技術を継承しつつも、自身の経験を活かし、現代的な側面及び伝統的な和の側面の両面を大切にしながら、「身近に寄り添う伝統工芸品」として、主に身につけるアクセサリー、帯留などの小物類を中心に七宝焼の制作を行っている。
とりわけ、今回の志賀豊氏とのコラボ展では積極的に金彩を取り入れ、京友禅の金彩加工の中でも一部の職人のみが手掛ける金彩描き消し技法を用いた表現方法等、京友禅を彷彿させるような意匠にも取り組むなど、温故知新の新たな自身の試みにも挑んでいる。
〈経歴〉
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